「変じゃない! 家出するよ、翔護!
お父様もお母さんも、これで少しは懲りるかも!」

一人娘が家出したら、さすがに自分たちの行いを振り返るんじゃないだろうか。
家出は良い事じゃないけど、わかってるけどっ!

言ってもわかってもらえないし、こんなに嫌なんだって証明したら、少しは伝わるかも知れない……。

「本当は家出なんて良くないけど……。
こうなったら強硬手段で、意思を示そう。

勿論、俺は凛についていくから。
一人にはしないからね」

ふんわりと微笑まれて、頬に手を添えられた。
顔を上げるとキスが落とされて、わたしは目を瞑ってそれを受け入れる。

夏休み、翔護と家出かぁ……。
もしかして人目を気にせずに過ごせて良いかも知れない。