「今更、苦しいからおしまいって、出来る?

昨夜、初デートに協力して下さいって話す森下君の顔ったら、すんごい真剣だったよ?」

本気で凛ちゃんのこと好きなんだなって思った。
花歩ちゃんの言葉に、わたしは頬が火照った。

翔護、真剣にお願いしてくれたんだ、花歩ちゃんに。
あ、きっと中堂さんにも……。

「おしまいなんて駄目。
わたし、翔護が大好きなの……」

だよね、知ってる、と花歩ちゃんはふんわりと笑った。

「もどかしい気持ちも分かるけど、付き合う時からわかってたことだし、貫き通すしかないって。
悩んでたって仕方ないよ、割り切らないと。

隠し事や嘘が辛いなら、問題が解決して充分に幸せになってから、その後でみんなにあの時はごめんなさいって言えば良いよ!」