翔護は、物腰も柔らかいし、頭も良いし、運動も出来る。
それは他の女の子も放っておかないよね……?

ああ、何だか不安になってきた。

可愛い子に告白されたり、わたしとの秘密の関係に疲れたりして、別れたいって思ったりされたら、どうしよう……。

「いいじゃん、森下なんかいなくても。
あんな奴、誰かにくれてやれよ。
俺が彼氏になって隣にいてやる、凛」

「え……?」

「って、ちょっと……!」

いつの間にか開けられていた扉にもたれかかってこちらの様子を伺っているのは、安達君だった。

いつもの着崩した学校の制服姿でも私服姿でもなくて、お屋敷のお手伝いさん達の着るスーツ姿。

どうして……?