いつものように翔護と中堂さんと車に乗り込んだところで、深いため息をついた。

「……お嬢様、大丈夫ですか……?」

中堂さんが、心配そうに声をかけてくれた。

「あ、はい……。
大丈夫、です……」

自分でも、大丈夫じゃないだろう、とつっこみたくなるような、か細い声で返事をしてしまった。

「お嬢様、本日は休まれますか?」

翔護まで心配している。
もし休んだら、お父様がいるお屋敷に逆戻り……。

「高校生活2日目で休むとか、だめでしょ?
体調が悪いわけじゃないし。
もう、翔護も中堂さんも、心配しすぎだよ?」

わたしは笑って、赤い目を少しだけでも休ませるために、目を閉じた。