翌朝、泣きはらして目の赤いわたしは、心配されてしまった。
お屋敷の、お父様以外の全員に。

でも、それについて声をかけてきた人はいなかった。
ただ心配そうに、目配せをくれるだけ。

それは意地悪とかではなくて、お父様がいたから。

何か言って、わたしが突っ込まれると困ると思ったんだろう。
泣いたとバレたら、何があったんだって、また騒ぎになるから……。

お父様が気づいていないなら、それが良い。
そう、わたしの異変に気づいてもあえて口に出さないのは、お屋敷のみんなの優しさだ。

お父様、お屋敷の人たちは、ロボットじゃないんだよ?
実の父親より気遣ってくれる、心の暖かい働き者の、人間なんだよ……?