失礼します、と席を立って頭を下げ、そっと部屋を出た。
ああ、本当にどうしてこうなったんだろう……。

お父様にとって、お手伝いさんたちは使用人と言うロボット。
わたしとお母さんは、家族、と言う飾り、なんだ……。

廊下に出た途端、涙が、溢れた。

声を出さないように必至に堪えて、早足で部屋に戻った。

わたしは自分の部屋に着くなり、電気も付けずにそのままベッドにダイブして、枕に顔を埋めて泣いた。

やだな、今日は泣いてばっかりだ。
折角の高校生活初日なのに、楽しくなりそうだって思ったばっかりなのに。