薄暗い部屋の中、テーブルの上の小さなランプをつける。

「お嬢様、初の高校生活にお疲れだったようですね。
森下がお運びし、わたしがお着替えさせて頂きました。
お目覚めになりましたら、お声かけくださいませ
  田中」

あ、田中さんかぁ……。
よかったぁ。

田中さんは、女性のお手伝いさんだ。
わたしと同じくらいの年齢の娘さんがいるらしく、なにかと良くしてくれる。
二人目のお母さんって感じ。

田中さんと翔護にお礼を言わなくちゃ。
で、翔護と話せそうだったら話そう。
それにはまず、部屋から出ないと。