迷っていると、後ろから肩を叩かれた。



「あの、これ?」



そこに立っていた女子が持っていたのは、



「あ、俺の財布!!」


「やっぱり。どうぞ」


「ありがとう! 何かお礼...」


「別にいい」



それだけ言って、その女子は人混みの中に消えていった。


何あの子...めちゃめちゃ可愛い。


というか綺麗。


かなり無表情だったけど、髪はさらっさらの黒髪ロング。


肌も透き通ってて白くて。身体つきも華奢で。


やばい、惚れちゃったかも!!


え、一目惚れ?? うわ、初めてだ。



「おい、冬(フユ)」


「あ、ユウ!!」



ユウのことすっかり忘れてた。



「お前のことだから、もう教室帰ってカレーパンに食いついてんのかと思った」


「そうだカレーパン食べないと!」



食べ終わってから、ユウにこの事を話してみよう。