良かった、まだカレーパン残ってる。
「おばちゃん、カレーパン三個」
「はーい」
いつも通り、カレーパンを三個買う。
受け取ったパンはまだほんのり温かくて、いい匂いがする。
あーーー、早く食べたい。がっつきたい。
「あれ? ユウどこ行ったんだろ」
この時間の購買は人が多くて、よくユウとはぐれる。
とりあえずこの人混みから抜け出さないと。
そう思って向きを変えて歩き出した、その時。
「あッ」
やばい、財布が!
俺の青色の財布が、床に落ちて人混みにまぎれていく。
あああ、その中にはまだ五千円入ってんだけど!!
でも、どこに行ったか分からない。
「あーあ、やらかしたな...」
後で取りに来ようか?
でもその間にカレーパンが冷えるし...!!
どうしようか。