連れて来たのは昇降口。
「おい、嫌な予感しかしねえから帰るわ」
「じゃあその予感外れるよ??」
「あ、嫌な予感強まった」
苦い顔をするユウ。
人の顔見てその顔はなかなかヒドいなー。
「あ、来た!! 近藤さーーーん!!」
「お願いだから帰らしてくれ今ならまだ間に合う」
ユウが逃げないようにがっちり腕を掴んで、近藤さんに向かって右手を振る。
無反応には変わりないけど、それでもしっかりこっちに歩いてくる。
「やっほー近藤さん! 今日も一緒に帰ろう」
「イヤ。なんか増えてるし」
近藤さんの視線は、すぐにユウへ。
話したことないって言ってたな...
ユウのこと知らないかな?
「あ、どーも蒼井裕一です。
なんか冬がいつもスンマセン」
「どうも...」
ユウって俺の保護者みたいだな、こうやって見ると。