✱教室✱
私は夕陽先輩と別れ、教室に入った。
「めいー!」
私の名前を呼んだのは、もかだった。
「もか!昨日どうしたの?」
「ごめん…風邪ひいちゃって」
やっぱり風邪だったのか。原因を知れてすこしホッとした。
「もか、元気そうでよかった」
「風邪なんかに負けないよ!あっそーいえば話したいことって?」
元気いっぱいのもかに負ける菌なんていないよね。
もかには話したいこといっぱいあるんだ。
「あのね………」
・・・
「うそー、あの人気者の先輩に!?」
全部話終わったあとに、
もかは相変わらず驚きを表に出さずに言った。
「すっごくかっこよくてもう最高なの」
私は夢中になって夕陽先輩とのことを話した。
『キーンコーンカーンコーン…』
話してる途中に授業を始めるチャイムがなった。
もかは『またあとでね』って目で合図した。
早く放課後にならないかな。
いるかわからないけど屋上に行ってみよう。
私は窓の外を見た。
『ガタンッ』
私はとっさに立ち上がってしまった。
「立花?どうしたんだ」
先生が聞くのも無理ないよ。
いきなり立ち上がったんだもん。
「いえ…む、虫が目の前を…」
適当な嘘をついた。
本当は虫なんていない。今日1回も見かけていない。
窓の外には体育の授業をしている夕陽先輩の姿が見えた。
体操服を着た姿もすごくかっこいい。
朝はバスの中で会えたし。授業の最初から夕陽先輩のこと見れたし。
今日は本当に幸せ。
