*ありがとう*
「夕陽先輩」
「ん?」
やっぱり答え方が優しい。
吸い込まれそうなくらい綺麗な瞳をしている。
「私、親友に背中を押されなかったら夕陽先輩と今こうして夕日を眺められなかった。」
そう。もかがいたから今の私がいる。
もかがいなかったら片思いのままだった。
「俺も。」
「え?」
俺もってどういうこと…?
「俺も友輝がいなかったら俺はここにいない。俺さ今日呼び出されたのって昨日のこと怒ってるからなんじゃないかって思ってたんだ。」
「昨日のこと?」
「そう。嫌われたんじゃないかって思って怖かった。でも友輝が『いけ。いかないと後悔するぞ』って背中を押してくれた。」
「そうだったんだ」
私たちは親友に支えられてここまでこれたんだ。
改めて実感した。
親友がいなかったら私たち2人は出会うこともなかったんだ。
「俺たちってさ、親友に支えられたんだな」
「今、私もおなじこと考えてた」
『はははっ』『あははっ』
2人の笑い声が重なった。