『ガチャ』


ドアが開く音がした。
きっと夕陽先輩だ。私には確信があった。

だって夕陽先輩のドアの開け方すごく優しい音がするから。


「めい…?」

夕陽先輩だ。私の大好きな先輩。

「夕陽先輩。来てくれてありがとう。」

来てくれただけでも嬉しいのに。
もうすでに涙が溢れだしそう。

でももうすこし。もう少しは我慢しないと。
この気持ち伝えるまでは。


「夕陽先輩。」


「ん?めいどうしたの?」

めい。呼び捨てで呼んでくれてる。
今呼ばれるまで気づかなかったけど昨日から呼んでくれてたんだ。

なんで今更気づくんだろう。


「私…」

「……」

夕陽先輩がちゃんと私の話を聞いてくれようとしている。
ちゃんと言うって決めたんだから。言わなきゃ。
頑張れ。私。