人間に恋したアンドロイド

「…音が…しない……」

「は?」

俺は唐突に告げられた衝撃的な言葉につい素っ頓狂な声を出してしまった。

「え、あの…つまり俺の心臓動いてないんですか?」

次に、俺は1番気になったことを聞いてみた。
すると、先生は真剣な顔つきで一言だけ

「……ああ。」

と、答えた。
まぁ、音がしないなら動いていないのは当たり前だが俺はどうしても信じられなかった。

だって、心臓動いてないんだよ?
なんで俺生きれてんの?この先どうなんの?

「先生。俺……」
「分かってる。信じられないよね。…でもこれほんとなんだ。聴診器は壊れてはいない、俺の心臓の音はしっかり聞こえるんだ。」
「……」

俺は何も答えることが出来なかった。

先生は話を繋げた

「それでね、心臓を調べるためにあっちの機会に乗ってもらいたいんだけど…いいかな?」

俺には記憶がない。だから帰る場所もまだ分からないし時間ならたっぷりある。拒否する理由などない。

「勿論かまいません。お願いします!」