人間に恋したアンドロイド

「それで、だ。陸くんは今記憶喪失なんだよね？」

「あ、はい。思い出そうとすると頭が痛くなって…
まるで思い出すなと言ってるように…………なんてそれは大袈裟ですよね」

俺は、自分で言ったその大袈裟な言葉に笑って誤魔化そうとしたが、一方先生はさっきよりも険しい表情で何かを考えているようだった。

「じゃあ、陸くんは……両親の事も忘れちゃったんだよね…」

「はい…」

「僕と咲子はね、陸くんの両親と大学からの付き合いなんだ。
家も近所だから後で送っていくね。」

「ありがとうございます。」

「んで、記憶喪失のことで脳に異常があるかもしれないからちょっと調べてみよう。」

「お願いします！」

そう言うと先生は心臓の音を聴く器具(名前わからない)を使って聴き始めた。
だが、先生は俺の心臓の音を聞きながらもっと耳に音を集中させて同時に先生の顔はまたも強張っていった。

そして先生はまだ強張った顔をしたまま重い口ぶりでとても信じられないことを言った。

この言葉はあまりにも衝撃すぎる言葉だった。