俺にはいきなりのことで焦ってどうすればいいのかわからなくなっていた。
そんな時

ｶﾞﾁｬ

部屋のドアが開いた。

「あら…？」

開いたドアの前には多分桃花のお母さんだと思われる人が立っていた。

俺はそれにも気づかずただあたふたして桃花をどうしたらいいのか考えて焦っていた。
そんなとき

「陸くん……？」

え？

俺は桃花に言われた自分の名前と思われる言葉に反応して桃花を抱えたまま声の主の方を振り向いた。


「陸くん！？陸くんなのね！？」

「え、あ、あの……」

突然呼ばれたその言葉に俺は更に慌ててしまった。
更にまた問われたのにはすごい焦っていた僕にはなんて答えればいいのかわからなかった。

「陸くん…どうしてここに…」

「あの！どちら様で…」

「え…覚えてない？桃花の母の咲子よ。」

「すいませんが……」

「そう。無理もないわ。この一年陸くんも色んな事があったのよね。」

そんなこと言われてても俺には今までどんなことがあったのかわからないんだよな…

「あの咲子さん。桃花が…」

俺は倒れている桃花を咲子さんに見えるように抱え直した。

「桃花が倒れちゃって…」

「あら、また…」

また？今までにこんなことが沢山あったのだろうか？

咲子さんは桃花に寄って額に手を当てた。

「まあ、熱はないようね。お父さんのとこ連れて行くわ。
ついでに陸くんも来て体調みてもらいなさい。」

「は、はい！」

俺は桃花を抱えたまま咲子さんについて行った。


そこでどんな結果が出るかも知らずに。