最初に蹴るのは和くん。



首を回したり、足首を回したり…など軽めの運動をしたあと、フーッと息を吐いて、ボールへまっすぐ走っていき



───パサッ




「…よしっ」




見事、シュートを決めた。


ということは、翔くんが決めないと負けになっちゃう。


そしたら…




「ねぇ、翔くんが負けたら私は翔くんのとなりにいられなくなるの?」



「え?いや、そんなことはないと思うけど…」



「でも、私をもらうとか、なんとか言ってたもん」




べつに和くんが嫌いとかそういうんじゃなくて




「翔くんと離れたくないよ…」



「まだ負けが決まったわけじゃないし。それに芳川くんなら絶対に決めるでしょ」