海恋(続)



週明けぬ月曜日、わんがいつも通り教室に登校した。



「うきてぃー、泰代」



いつもわんより先に来ている泰代には、いつもそう声を掛ける。



やしが...



「………」



泰代は、返事をしてくれなかった。



それどころか、目すら合わせてくれなかった。



「…や、泰代?」



「……かしましいやさから、黙ってくれるかね」



「…え?」



泰代、今なんて…?



突っ立っているわんを見て、泰代は急に立ち上がった。



「…邪魔だが」



「あがっ…!」



わんを少し強い力で退けて、泰代は去って行った。



わんは呆然となった。



泰代の様子が明らかに変だ。