旦那様の膝に戻った私を、
「(いたい、)」
旦那様はいつもよりも強い力で抱きしめた。まるで自分のものだと見せつけるように、強くーー。
「彼女を、私に下さい!金ならいくらでも貴女に渡す」
アカルト伯爵ががたっと席をたって叫んだ。
それをきっかけに、全員が立ち上がって叫ぶ。中には旦那様の前に跪いて願う人もいた、
「…っ俺もだ、ここの誰よりも金を出す、だから、だからーー」
「金などでルアンナを買えると思うな。………気分が悪い。夜会は終わりだ。」
扉の近くで構えていた黒髪の少女は、にこやかに扉を開いた。
「待ってくれ!私の全財産だぞ、その全てでも、」
「煩い。その話はもう終わりだ」
ばたん、と。
扉が閉まった。
