私の言いたいことがわかったのか、それとも噂で知っていたのか。
どっちだか分からないが、アカルト伯爵はゆっくりと目を閉じた。
ごくり、
周りが唾を飲み込む音が聞こえる。
私もその閉じられたまぶたに近づき、その二つにゆっくりと唇を落として、そしてーー。
「「っおお」」
疲労で窪んだ頬は健康的に、そして美しく形を取り戻し、艶を失った髪はふわりと無風にゆれる。
そして顔にあったすべてのシワは姿をけして、
「すごい、本当に貴女は……」
「ルアンナ。」
これ以上は十分だ、そんな態度の旦那様に呼ばれて、慌てて彼の膝の上へと戻る。
「本当に、彼女の力は……」
「噂以上だ、」
ざわめく会場。
これが、
私の力。
