高校1年の春。
わたしは家からバスを使って、1時間。そして、歩いて10分の高校に通うことになった。
知り合いも誰もいないところで、全部やり直そうと思ったの。
でも、わたし。1つだけ心の支えを持っていた。肩書きでもいい、わたし音楽家なんだもん。
「えー転校生を紹介する、入ってきなさい」
そう、このときまでは音楽家だった。
このときまでは、音楽家だったんだ…。