「いないよ。でも、片想いの子はいる。ずっと、ずーっと片想いの子。」

「ずっと?いつくらいから?」

「…。小学校1年生くらい?(笑)」

「すごっ!一途なんだね?」

「んな事言われると照れるしっ!」

「私、薫の歌声、凄いと思った。」

「え、まじ?ありがとう。」

もう、学校を出た道の所で、周りを見渡しても私と美穂と薫君しかいなかった。
2人並んでる少し後ろに私は一人で歩いていた、その時。

「薫…。」

「んー?」


「好き。ひとめぼれってやつ…?」


「えっ?」

と言ったのは、薫君ではなく私の方だった。