「あっ、芽衣いたんだ。聞こえちゃったね。内緒だよ?」

「あ、うん。」


「んー。気持ちは嬉しいけど、ごめんね。俺、好きな人いるから。」

薫君はその好きな人を想うような目をして、ゆっくりと微笑んだ。

「そっか。じゃ、仕方ないね。でも、諦めないよっ♪」

「あはは。」

薫君は、苦笑いをして私を見た。


「薫って、どこの中学?」

「えっとねー。香田中学…。知らないでしょ?」

「吹奏楽で有名な所だっけ?聞いた事あるかも。」


「えっ!香中!?」


私は、思わず声を出してしまった。

「芽衣、知ってるの?」

「え…。私が小学校の時にいたところの地域の中学校なのっ!」