聡は返す言葉がないのか
呆然とした感じでただ黙り込んでる。


「用件ってそんだけ?ほな、私行くわ」

言うだけ言ってスッキリした私が
聡の脇をすり抜けて行こうとすると

「待てや」

腕を掴まれて引き止められる。

「なによ?まだなんかあんのん?」
「好きやゆうてるやん」

見たことない真剣な瞳で私をまっすぐに見る聡。

不覚にも
ドキッ!
としてしまった。

「イヤや・・・離して・・・・・・」

目を逸らしてさっきより弱気になってしまう私。

聡は私のひるんだスキを見逃さず
そのまま腕を引っ張って
強引に
くちびるを
奪うように・・・

「・・・っん!」

キスをした・・・。

のけぞって離れようとする私の背中に腕を回して
ガッチリ抱きしめられ、身体の自由も奪われる。

「んーーーっっ!!」

男の子の力になんかかなうわけなくて
もがいても簡単には離してくれない。

イヤやーーーっ!!

ガリッ!

「いっ・・・!」

私、聡のくちびるに思いっきり歯を立てて
聡の拘束がゆるんだ隙に
ドンッ!
力いっぱい突き飛ばして、キッと睨み付ける。

「あほんだらーーっっ!!アンタなんか死んでまえーーー!!!」

血のにじむ下唇を痛そうに押さえてる聡に
私はそう怒鳴って
走って公園を出た。