家に帰った私は直ぐに二階に駆け上がり、カーテンを閉めた
彼の部屋から私の部屋が見えるからだ
「……いいんですか?カーテン閉めて?」
何の抵抗もなく私の部屋に入ってきた男は私の勉強机の脇で立っていた。
この部屋に入れた男は彼が2人目だ
「先輩……ご両親は?」
「二人とも、仕事」
「………やばくないすか?いいんですか、俺と二人きりって?
せめてカーテンは開けた方がいいんじゃないんですか?」
いや、この場合
隣の彼に 私たちが見つかる方が問題だ
いや、別に付き合ってるわけじゃないけどさあ、ねえ?
「別に……私のこと、好きじゃないんでしょう、君は。」
「………好きとか、関係なく女は抱けますよ、僕」
粘り気のある執拗な声で彼は言った
……この男……最低だ……
確かに、見た目は天使かもしれないが、中身はどうしようもない。
「………。」
「それとも、俺に抱かれるより、大好きな《ハル君》に嫌われる方が嫌ですかい?」
いよいよ、核心をついてきたな
ふん、そんなことで私は動揺なんかしないだぞ、165センチが!!
「………、それで、さくらさんの弟君が私に何の要件ですか?
私もねぇ、暇じゃないのよねぇ?」
私はソファに腰をかけて彼を見上げた
どうでもいいが
入家君にお茶なんかだしてやらないぞ
「……いいんですか?先輩は?」
「何がよ?」
「5番目っすよ?」
「……何が?」
「長門先輩って、5人いるうちの1人ですよ、姉ちゃんの彼氏の」
「…………えっ………」

