悲しみに、こんにちは2




帰宅後に写真データを再見して
私は誰に対してでもない怒りがこみ上げた


あのスーツ姿の男は
彼女の5人いる彼氏の1人に違いない

顔は暗くてよく見えなかったが
ハル君にはあまり似ていなかった

どちらかと言うと
まだ幼さを残したような少年のような顔立ちだった

ハル君の方がずっと歳下なのに
スーツ男の方が若々しいような印象を受けた

あの2人はラブホテルに入っていった

時刻はもう、夜の10時。


きっと今ごろ、入家 さくらはスーツ男に抱かれているのだろう。

ハル君とキスしたその唇で
全く違う男と口付けをかわしているのだろう。





馬鹿げた話だ。
どうして彼女なんだろう。
なんで私じゃダメなんだろう。

私の中の言いようのない怒りは
誰に対するものなのか?


入家 さくらに対する嫉妬か?
ハル君の愚かさか?


あああ、そうか……
わたしはなんて惨めなんだ……