「お母さん、赤ちゃん 抱っこしてあげて。」

看護師さんに赤ちゃんを渡された。

燕と私の間に生まれた1人目の赤ちゃんは 男の子。

「ねぇ……燕⁇」

「どうした⁇」

燕はベッドに寝ている私と同じくらいの目線になるまでしゃがんだ。

「赤ちゃんの名前なんだけどさ……」

「俺も今 ピンと来たのがある。
せーの、で言おう。

せーの。」

「「夏生」」

同じ名前を口にした私たちはお互いの顔を見て 笑った。

「やっぱ、そうだよな。」

「うん……、夏に生まれたから "夏生" ってそのまますぎる気もするけど……それが1番しっくり来るよね。」

燕は夏生の方を見て、

「よろしくな、夏生。」

と微笑んだ。

そして、夏生は……ニコリーと微笑み返したように見えた。

それを見て、私たちは新しくできた我が子が愛おしくて 笑った。