私のブーケをとった実希は嬉しそう。
嬉しそうにしてくれるなら……別に、実希に受け取られてもいいかな⁇なんて。
「次は新郎の言葉。」
翔平さんに言われて、燕は驚いてた。
「俺⁉︎」
「うん、新郎はお前。」
「……挨拶とか、何も考えてなかった。」
翔平さんは 呆れた顔をした。
「アドリブで頑張れ。」
マイクを渡された燕は戸惑いながらも立ち上がった。
「本日は僕と未来の結婚式、あるいは披露宴に来てくださり ありがとうございます。」
そう言って、頭を下げた。
「まだまだ、人間としても未熟な僕はこれまで たくさんの人に支えられてきました。
今日、未来と結婚して これから ちゃんと未来を養っていけるかどうかを始めとする不安もまだまだ多いことも事実です。
けれど、こんな僕を信じて 寄り添い歩いてきてくれた未来のことを絶対に幸せにしてみます‼︎」
拍手が起きた。
冷やかしの声も。
燕は笑って、話を続けた。
「1度 未来と別れ 腑抜けた時、友達が厳しく叱咤してくれ それによって僕は目が覚めました。
その時、僕には未来が必要であることに気がつきました。
そして、再び 付き合うことになったその日に 僕は交通事故に遭い 3ヶ月弱 意識を失いました。
が、その間も未来は常に僕のそばに居てくれました。