「もう未来を手放したりするつもりはないから。

安心して⁇」

今まで何回も言われたことあるよ、その言葉。

「うん。
信じてるよ、今度は裏切らないでよ。」

燕は一瞬 動きを止めて、

「ありがとう。
次、同じことしたら 許してくれなくていい。

それだけのことをしてきた、そう思ってる。」

「反省してくれてるなら、それでいいよ。」

そう言ったら、燕が私の頭を撫でてくれた。

私 燕に頭を撫でられるの好きだから、嬉しい。

「未来……そのままで許してたら、きっと何回も繰り返すよ⁇

実際、今までもそうだったんでしょ⁇」

そんなことを言ってきた実希の声は聞こえても、頭の中にまでは入ってこない。

「好きなんだもん、多分 私は燕に依存してるから。

燕が居なくなったら、私はどうにかなってしまうと思う。

許す、許さない……とかの前に 私には燕が必要なの。」

「……そう、なんか 私まで恥ずかしくなってきたわ。

早く食べて、ホテル帰ろー。」

実希がそう言って、真面目にご飯を食べ始めた。

私も麺がのびちゃうから パスタを食べ始めた。

半分くらい食べてから、燕と交代した。

「ふぅ……お腹いっぱい。」

「未来 いっぱい食べてたもんね。」

……そうかな⁇
言われるほど 食べてないと思うんだけど。

「よし、んじゃあ 帰ろっか。」

透哉さんがそう言ったから、私と燕は 家に帰ろうとした。

今日は 電車だったから、近くにある駅に向かい始めたところ。

私は袖を引っ張られた。

「何⁇」

その正体は 実希。

「あのさ……泊めて⁇」