「別にいいじゃん、こんなことできるのも 今のうちだけかも知れないんだからさ。」

「うわー、未来ちゃん すごい現実見てるね。」

透哉さんが少し驚いたみたいに、そして からかうみたいにして そう言う。

「だって、燕 すぐに私のこと突き放そうとするんだもん。

そういう考え方になっちゃうのも、仕方ないと思うんだけどな……。」

「「「「確かにそれは、燕君が悪い。」」」」

4人……お父さん、お母さん、透哉さん、実希……が声を揃えて言った。

すごい、 "せーの" とか言ってなかったのに すごく綺麗にハモってた。

「……だって、未来のこと幸せにしてやれないのに 側にいても邪魔なだけだろ。

そういうこと言うのは、未来のことを思っているからであって……」

「未来がそれを望んでいなくても、自分の意見を通そうとしているのは 未来のことを思っているからではないんじゃないか⁇」

お父さんがリゾット的なものを食べながら そう言った。

お父さんに言われたら、言い返せないらしく

「そうなのかもしれません。」

って燕は言ってた。

「でも、事故にあって 不自由な身体になって お先真っ暗な状態だった時の僕に未来を幸せにすることはできなかっただろうと思います。

また、リハビリの成果もあって 動けるようになって……働くこともできて、初めて 他人のことも視野に入るようになる。

別に、自分 1人なら どうなったって構わない。