「ここはさー……一番年上のお父さんが払うべきだよ、ね⁇実希⁇」

私は このままじゃ話が進まないと思ったから、イキナリ話を逸らした。

「えっ、私⁉︎
……確かに思ったけど……。」

「ほら、ね⁇
ってことで、最年長者のお父さん 夜ご飯 奢って⁇」

「いや、お父さんも初めから そのつもりだったから。」

燕が透哉さんに上手い具合に踊らされてただけか。

「んじゃ、美味しいところ 食べに行こ。」

「……お父さんだから、って……」

お父さんが何か言ったけど 気にしないでおこう。

「よし、お腹空いたから 行こう‼︎」

私は立ち上がろうとしたけど、燕に捕まってるんだから立ち上がれるはずもなく そのまま後ろにこけた。

「うおっ。」

燕は変な声を出して、手をついた。

「ビックリした……、大丈夫⁇」

「私は大丈夫だよ、だから ほら 行こ⁇」

「って、何処に行くの⁇
私、イタリアンがいいー‼︎」

久しぶりに日本に帰ってきたんだし、 "和食がいいー‼︎" とかって言いそうだったのに……実希はことごとく私の予想を裏切ってくれる。

私は和食の方が好きなんだけどなー。

「近くのショッピングモール行こう⁇

あそこだったら、たくさんのレストラン入ってるし そこで、決めればいいじゃん。」

透哉さん、頭いいね。