日本人は周りに合わせたがる傾向があると現代社会の授業で聞いたことがある。
なるほどな、と思いながら私は向かいのホームにいる一人の女を睨んだ。
友達とにこやかに楽しそうに話し、片手にブランド物の鞄を見せつけるように持つソレは、かつて友達だった女だ。
いますぐにでもそいつの風になびくミルクティーに良く似た色の髪の毛を切り刻んでやりたい。
弱肉強食のこの世で生き残るにはそれなりの鈍感さと、そして周りに合わせることが必要なのだろう。
私にはそれができなかった。