香取愛美(かとり まなみ)side




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【復讐屋】


恨んでいる相手はいませんか?

もしいるのなら、復讐してみませんか?

自分でされるのは怖い、嫌だという方は、私達にご依頼下さい。

私達、復讐屋が代わりに復讐致します。

どんなご依頼も引き受けます。

代金は、内容によって多少上下いたしますが、ご了承下さいませ。


御依頼人様の秘密は守り、依頼完了時には、御依頼人様が求むならば、個人情報を含む依頼内容を全て消去致します。


御依頼人様も本社の秘密は守るよう、願います。



詳しくは、店内にてお話致します。


復讐屋より


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「え?なあに?これ」



私、香取愛美は困惑していた。


大学の講義が終わり、家へ帰る帰り道、迷子の小学生くらいの少年を見つけた。


彼は、裏通りのビルに行きたいという。


裏通りのビル……それは裏通りの街に存在する建物で、それを聞いたときは目を見開くほど驚いた。


ラブホや風俗店など、いかがわしい店やビルが並び、昼夜問わず、酔っぱらった人や強面の男がいるような通りだ。


そういう目的がない限り、決してその通りには入らないのだが……。


かくいう自分は、そこには入ったことがない。



どうしても行かなくてはならないという、少年を渋々送り届けた。


そこで、お礼にと、上の紙を配られたのだ。




「復讐屋って?なあに?」


「お姉さん、復讐したい相手、いる…。でも自分じゃできない、違う?」



違わない。しかし、何故この少年が分かるのだろうか。



「そこにあるビルの最上階に、復讐屋、ある。利用するかしないかは、お姉さん次第」



その少年は、ばいばいといって去っていった。




私はしばらく、呆然としてたっていた。