「めくる、お帰り。相変わらず可愛いな」



ドアから入ってきた青い髪の小さな美少年は、頭に?を浮かべて入ってくる。


それを見て、抹李は顔をデレッとさせた。



「あ、めくる!抹李が南乗さんに学校行ったって嘘ついてサボったんだよー!叱ってあげてよ!」


「え?でも今日は……」


「抹李、お墓参り行ってたんじゃないっスか?」



ひょこっと、緑のカエルのようなフードをかぶった少年がいう。


これが、銀だ。



「え?……あ、そういえばそうだったね。ごめんね?抹李くん」



申し訳なさそうに謝る南乗を見て、ばつが悪そうに顔を背ける抹李。


そんな二人を見て、和兎は口を開く。



「まあ、嘘ついた抹李も悪いから、お互い様だよね?」


「お前、墓参りは午後いくっつってたもんな」


「どっちにしろ、謝んなきゃだめだよ!めっ!だよ!抹李お兄ちゃん!」



「悪かったよ…… 」




申し訳なさそうに謝る抹李に、みんな、笑う。


一見、仲の良さそうな家族に見える。



それほど、ほのぼのとしているのだ。




しかし、彼らはとある"仕事"をしているのだ。




奥のドアからひょこっと人が出てくる。



「……あぅ…、」



小学生かと思わせるほど、小さく、華奢で、声は声変わりしていないほどソプラノな声だ。



「あ、瑠璃くん。どうしたの?紬くんは?」


「…つむ、ぎ、いない……」



無表情で、表情は変わらないが、オーラがしゅん……としている。



「一緒に昼寝してたんじゃねぇの?」


「だよなぁ?紬が瑠璃を一人にしてどこかへ消えるとは考えにくい」



夜兎と抹李が顔を見合せながら言う。


瑠璃(ルリ)は、見た目に似合わず、大食らいだ。

そのため、一人にしておくと、なんでも口に入れてしまうため、誰かと必ず一緒にいるのだが…。