朝、学校まで愛麗を送る。
登校しているときからキョロキョロと愛麗は周りを見渡す。
そんなに、翔惟ってやつが怖いのか気になるのかわからないけど、ずっとキョロキョロと見渡す。

「そんなに、見渡すこともねぇとおもうけど。俺がいるし」

「…違うんです。」

「ん、どういうこと?」

…それは、と切り出したところに
愛麗と、同級生なのかな。
2人組の女の子がやって来た。
愛麗に話しかけようとしているらしい。
それを避けようとする、愛麗。

「愛麗さん、逃げなくても」

「…反射的でつい。」

こいつらも、か?
愛麗を悩ませているのは。
反射的でって、明らかにおかしいだろ。

「彼氏?この人」

「え?あ…うん」

「彼氏なんて、要らないって言ってなかった?」

…困ってる。
ここは、一肌脱がせていただきますか。

「話してるとこ、ごめんね。
愛麗、言いたいことはちゃんと言わなきゃ。
黙ってたって、何にも変わらないよ。な?」

「さ、…」

俺の名前を言おうとしたけれど、言えていない。
この子達の前じゃ言えないのか。

「蓮琉さん…大丈夫です。」

…まさかの名前呼びですか。
まだ、好きとか言われてないからほんとの恋人ではない俺らだけど
少しは進歩?
なんて、考えてないで…助けないと。