「あー…明日」

…百合がそう、呟くように言う。
あれから、大人ということに関してたくさん考えた。
でも、答えなんて見つからないし
どうしたらいいかもわからない。
でも、ひとつだけわかったこと…それは
どんなときも、初心を忘れてはいけない。
自分の考えを持つ、そして…
目の前にあることを全力で頑張る!
それらが大事だと、気づいた。

明日に控えた卒業式…それを考えたら眠れなかった。
気づけば日付が変わっていた。
…笑顔でという百合の言葉を思い出して眠りについた

「…ふぅ。大丈夫、笑顔でいられる。」

「…大丈夫!私も笑顔でいる!」

「…ふぅーん楽しみだな」

達弥のその意味深な笑顔。
少しイラッとするけど…それも今日が最後
余計なことすんな!って百合に言われてるし
あーあ楽しみだなぁとかずっと言ってる。
蓮琉さんが見に来るとか言ってたし…
終わったら…すぐにでも、返事をしなきゃ。
お願いしますって。

淡々と進められ…卒業式は思ったよりあっさり終わった。
泣かなかったのには自分でも驚いたけど
蓮琉さんがニコニコしてた…それを見てうるっとはしたかな

「お疲れさん」

「…蓮琉さん、覚えてますか?あの時してくれたこと」

「んー…覚えてるよーもちろん」

「…考えました。たくさん、でも答えなんて初めから決まってたんだと思います。答えはひとつしか選択肢は与えられてないんですよ。…お願いします。」

「あ、いり?」

「卒業式で言おうって考えたんです。」

「…本当に言ってるのか?」

「なんで嘘つく必要があるんです?」

「嬉しいよ。…それじゃ、お前のお母さんたちに言いに行かなきゃな」

「ですね。…今日来てないのが、おかしいくらいなんだけどなぁ」

親の代わりに出席するのが彼氏っておかしいよ。本当に
でも…まぁ、嬉しいからいいけどさ。

「…改めて、結婚しよう」

「はい…お願いします」