「あ…たのしかったー!」

「…あんなに連続で乗るか?普通」

…ぐったりしてるなぁもう。
疲れたんだろうな…ごめんね?あんなに乗せて。

「…ごめんね?」

「いーよ。全然…大丈夫」

…ぐったりしてるのに、そうやって
私を怒らない。
優しすぎるの…

「…愛麗、こっち来てくれる?」

「何?」

ぎゅぅ

…蓮琉さん!?たくさんの人がいる前で私を抱きしめてきた。
耳元で

「…お前は悪くないから。楽しい顔見れたからそれでいいの。」

なんて言ってくれて…多分私は顔を真っ赤にしてることだろう
でも…そろそろパレード始まるよなぁ

「見に行くか。パレード!」

蓮琉さんは、嬉しそうに言った。
そういうとこ、可愛いんだ。
はしゃいで、私の横でピョンピョン跳ねてる
そういう蓮琉さんを見ていてくすって笑うと

「お前は楽しくねぇの?」

なんて聞いてくるから…私は

「楽しいよ…だって、はしゃいでいる蓮琉さんを見れるんだから。」

「…アホ。じゃなくて、パレードを見ろや」

恥ずかしそうにそう言われると…より可愛く思えてくるんだ。
それって、かなり重症??

「あー、楽しかった。…それじゃ、ホテル行こうか。」

「もう、そんな時間?…早いなぁ」

「とりあえず、チェックインしないと。」

…そうだ、ホテルに泊まるんだ。
蓮琉さんの家には何度も泊まったけど…
ホテルは初めてだ…

「楽しみ」

「俺も。…じゃ部屋は俺で予約してあるから」

「蓮琉さんやっさしー!…ありがと!」

「俺が誘ったんだから、そりゃするよ」

…どんな人にも、同じくらい優しくするそれが、蓮琉さんなんだよね。

「佐久間様ですね。…えっとー、」