「愛麗、お疲れ様。」

「蓮琉さん…恥ずかしいですよ」

「見られてるから?…((笑」

…笑いすぎ!でも、こういう時の蓮琉さん
好きなんだ。だってさ、自分のことのように喜んでるんだもん。

「…だったら?」

「またそうやってー!…でも、ほんとおめでと。」

「ありがと…蓮琉さん、これからもよろしく」

「もちろんだよ。…愛麗、愛してる」

…場所もわきまえず、そう囁かれた私は
多分、顔が真っ赤になってるだろうね。

「…お礼を言わなきゃなんない人いるんじゃないのか?」

「…は、恥ずかしいからいい。」

「こういう時だけだぞ?…言うタイミングって」

…確かにそうだ。でもね、いざ言おうと思っても無理なんだ。お兄ちゃんには感謝してる。でも、でも…言いずらくて

「愛麗、お疲れさん。」

「…お兄ちゃん」

「ばか、何泣いてんだよ…」

「それは、お兄ちゃんもじゃん!…」

蓮琉さんに見られてる…でも言わなきゃ

「お兄ちゃん、いつも…ありがとね。」

「ん…礼言うのおせーんだよ!」

…ムカッ
でも…これでいいんだと思う。これが私たち兄妹だから。

「ほら、帰るよ。…愛麗、蓮琉。」

いつの間にか、蓮琉って呼んでる。気が付かなかったけどそれだけ仲良くなれたんだ、いい事じゃん。でも…彼氏と兄が仲良しは恥ずかしいかも。

「蓮琉さん、ずっと…大好きです」

「んなこと分かってる」

…卒業式って悲しい反面嬉しいことなんだ。紗姫とは離れるけど…私には蓮琉さんがいる。また、みんなとも会えるもん。