◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊
あの人、なんていう名前なんだろ……
席に着いた後の私は、
その事で頭がいっぱいだった。
でも、そんな悩みも無くなってしまう。
なぜなら……
「23番、月山翔平です。前は一組でした。
部活はサッカーやってます。」
自己紹介の順番なんて、
すぐに回ってくるんだから。
「趣味は寝ること、食べること、
あとテレビ観ることです。
こんな身長で見た目怖くて、
特に女の子に敬遠されがち何ですけど、
全然怖くないんで。
野郎も女の子も気軽に話しかけてください」
そう言って目元を垂らし、口角を上げる月山くん。
輝かんばかりの笑顔、ありがとうございます。
たぶん、月山くんは人気者なんだろうなぁ。
笑顔が自信に満ち溢れてるんだもん。
今私も、その笑顔に魅せられてるんだよ。
……なんか月山くんのファンみたいだね、私。
……いや、私はもう月山くんのファンなんだ。
敬意を込めて『つっきー』と呼ばせてもらおう!
……もちろん心の中でだけ、だけど。
