悲しみに、こんにちは



「ハルくーん」


ラブちゃんとのスタバデートの帰り道、偶然、ハル君に会った

「……ああ、ユズじゃん」

ハル君家から出た彼は玄関に鍵をかけた


「ハル君、どっか行くの?」


「ああ、お袋がさあ、帰り遅いから夕飯どっかで済ませろって」



ハル君家は母子家庭で、おばさんは看護師をしていた



「じゃあ、うち来なよ」



「なんかいつも悪いじゃん、それに友達と約束してんだ」


「ふうん、じゃあさあ、お土産よろしくね」


「……苦学生に何言ってんだよ
何がお土産だ、彼氏に頼め」


自然なそぶりで彼は言う
こういうハル君は、嫌いだ