―――待って………!!


必死で手を伸ばしたその目の前は再びパステルカラーのかかった霧で覆われると私の体は再び吸い寄せられた。


悲鳴をあげたくてもあげられないほど周囲の霧は激しさをましていき恐怖で気が遠くなりそうだったその時―――。


『――――さつき!!』


しっかりと手を強く捕まれた感触に私は思わずはっととじかけた瞼をひらくとそこには星くんが必死に手をのばし私の手を掴んでいた。


『―――星くん……!!』


恐怖からか心細さからか私はほっとして星くんが掴む私の手に力をこめるのも束の間…嵐のように私達の周りを引き裂く霧に抵抗するも空しくつかまれた手は離されやがて激しい霧の嵐に身を揺さぶられるままに私は深い意識の底へと落ちていった。