薄い霧状のどこか得体のしれないその場所にたどり着くころどこからか甘い香りと心地のよい音が響いてきた。 「ここは……?」 私は目の前に広がる霧をかきわけて先に進む先に青々とした葉が広がりさわさわと…水が流れる音の先に悲しそうな女性がその水に足を浸して竪琴をひいていた。 そして…その横には位の高そうな男性がその女性の竪琴をきいていた。 私はその光景に気を奪われそこからその二人を見守るとやがて位の高い男性が女性へと歩みよった。 「――君はここから逃げなくちゃだめだ!!」