「学園を間違えるなんて皐月様ったらまったく面白いご冗談を……!!

わたくしは、運命の方と大切な高校時代を築く為にこの学校を受験し晴れて入学することになりましたのよ。
皐月様こそ……なぜにこの学校に??」


「えっ…………?? いやあ……実は私もこの学校を受験していたの…。 」


苦笑いを浮かべつつ我が耳を疑いボソボソと言葉を綴った。


「そーでしたの?? 奇遇ですわねー。
私もこの学校を受験していたんです。」


「まあ、本当に皐月様ほどの方がこの学校を??
わたくしてっきり……海外の学校に梓さまと通うものかとばかり思ってましたわ。」


上品な会話の中にも刺々しい意味を込め単さまの目は早くも私をこの場所から遠ざけたそうにみえた。


「そーでしたの?? 私もここで待人がいるので隣りで待たせてもらってもよいですか?」


「どーぞ……。」って単さまは相変わらず私の右側に並びその運命の人が彼でないことを密かに祈りながら待っていた。