深い黒い雲がおおう景色に佇む不気味な外装をした洋館に電話が高らかに鳴り響く。


その佇まいは人が住んでいるのかと思うほど古びていていかにも得体のしれない物達が住まう恐怖の館を連想させる存在感をパタパタと白衣をまとう一人の男が電話にしのびより受話器をあげた。


「―――はい!!こちら鮒額診療所兼歴史研究所〈フナガギシンリョウジョケンレキシケンキュウジョ〉です。」


ぼさぼさ頭をポリボリとかきあげかなりめんどくさそうに電話に応対した鮒額という中年層の男はのっそりと薄暗いロビーに立つ。


「―――鮒額先生。お久しぶりです。
例の魔法の粉……発掘なされてどうやら復元に成功なされたとか…おめでとうございます。」