静寂の道場に佇む堂々としたその姿に二人は思わず息を飲むと星がおもむろに声をあげた。
「も…もしかして……!! まさか…ショコ姉!!」
確信めいたその問いかけに気付きふっと姿勢を解き放ちこちらを向き直ったその女性は屈託のない笑みをむけた。
「その声は…せい坊!!」
先程とはまるで別人のように人懐っこい愛嬌を振り向きながら長身でスレンダーの身のこなしで二人の前に立ちふさがった。
「相変わらず…小さいわね!!せい坊!!
あれあれあんた…ちょっとちょっと!!」
いきなり星の首を腕に絡めて皐月の方をチラチラと見ながらにまりと顔をくずしたショコ姉なる女性は星を茶化しはじめた。

