うさぎ店長という中年の男性が…運転席側から…助手席の窓の外にいる皐月の事をねぎらいかけた言葉に笑顔で皐月も返すと二人の中年男性は「健闘を祈る…。」と言葉をハモらせると車を方向転換させるためにバックし…やがて皐月を残して学校を離れていくのを彼女は見送っていた矢先……。


「―――カシャッ………。」とシャッターをきるような音が微かに皐月の耳に届き…彼女は慌てて周囲を見回したものの通学途中の学生達のごった返す喧騒のなかに紛れ込み不穏な気味の悪さだけを残してその痕跡を跡形なく消した。