――ゴオオオッ…と目の前を覆う嵐が遠ざりかけた意識を持ち直し重い瞼をゆっくりこじあける。



「おはよー!!お寝坊さん!!まず説明するより先に現実からうけとめた方がいいわよ!!」



重い瞼の向こう側の景色に拡がるのはなぜか…見覚えのある車内と見覚えある声……。

「「姉貴!!!」」


隣で運転する俺の姉貴…で今は甲原の姓に変わった甲原 小春に驚き声をあげてシートから起き上がった。


「な、なんで??姉貴が?? お祖父様にまさかなんかあったんじゃ…そーじゃなかったら勘当された姉貴が俺を迎えにってありえない!!」