「皐月ちゃん!! 高校生になっても可愛らしいー!!」

「まったくだー!! こっちまで癒されるよー!!」


おじさん二人組は皐月の真新しい制服姿に微笑ましい言葉を添えた。



「―――すみません、ここで道を塞がれたら邪魔なんですけど!!」



長身のスラリとしたモデル並みの身長にも劣らず、端正で色白な顔立ちでショコラ色の長い髪を春風に靡かせ星と皐月、先ほど星に抱きつこうとして未遂に終わった女子高生、そしてその車の中年二人を鋭い瞳で睨みつけた。



「あっ……。ああ、ごめんね……。
じゃあ、また星くんも皐月ちゃんも入学式終わったらまたその時にね……。」



その雰囲気をいち早く察した大人達は慌てて星と皐月に向かって言葉をかけ気まずそうに車を誘導さけまるで逃げるようにその場から去っていく。