さわさわとそよぐ桜舞う風の中を年代を感じさせる乗用車が1台校門の前でとまる。



「どうもありがとう。」


いそいそと後部座席の扉を開けて降車した星の姿を見つけ嬉しそうな笑みを浮かべる皐月は駆け寄る………。



「「星さま!! お会いしたかった!!」」


「おわっ!!」


期待外れの相手に阻まれ星は思わず反射神経からか抱きつかれそうな寸前で女子高生を交わした。


「あっ……危ねぇっ―――!!」


突然の事すぎて星はまったく何が起こっているのかしばらく把握出来ていない様子だが、一足出遅れ苦笑いを浮かべ皐月は星の近くに歩み出た。


「おはよう。星くん。 おはようございます……うさぎ店長、Dr.哲……。」



星だけではなく車の運転席に乗車する中年のおじさん二人組に可愛らしい笑みを浮かべると二人も上機嫌で挨拶を返した。