「さすがね、リト君。愛しのゼロ=ブライド様は何処に?」
「はい、ゼロさんは地下です。よくなっていればいいんですけど」
セレンはつつましくもロメについていく。
ロメは速度を落としセレンと並ぶと、最後にあった時から変わらないその容姿に一種の嫉妬すら覚えた。
「相変わらずの美貌。うらやましい」
「…びぼー」
「同音異義語を探さないで。麗美の美と容貌の貌」
「…そんなに女っぽいですか」
いまいちの反応だがロメは苦笑いにとどめた。
特別中性的というわけではないが、確かに男らしさには欠ける容姿のセレンは気にしているのかいないのか。
自分の指をじっと見て何かつぶやいている。
「どうしたの?」
「指、細いですか」
「まあ、確かにね。でも君は今のままでいいよ。私はゼロの次にイケメンだと思うし」
「…」
セレンはいまいち納得しかねるような表情を浮かべた。
「ロメさん、提案なんですが」
「何?」
「同盟を組みませんか」
「何の話?」
ロメが聞き返せば、セレンはスクーターを止めてじっとロメを見つめた。
「僕はゼロさんに早く幸せが訪れることを欲しています」
「うん」
「ロメさんは早くゼロさんと結婚したいです」
「うん」
「だから、僕たちは同盟を組むべきです」
「…」
そのまま教科書に出てきそうな例文じみたセレンのセリフに、ロメは苦笑いした。
「つまり?」
「ロメさんとゼロさんをくっつけようです」
「うん、ありがと。すっごく頼もしい」
セレンは無表情のまま左手を差し出した。
ロメはその手に、同じく左手を差し出す。
力強い握手に、2人は無言のまま強く頷き合った。


